FX取引での「建値」とは、ポジションを保有した時点の値をいいます。そして、相場が建値に達したところで決済することを「建値決済」、あるいは「建値撤退」といいます。エントリーしたときと同じ値で決済するので、損益としてはプラスマイナスゼロで取引を終えることを意味します。

建値決済が用いられる局面は、期待とは逆方向に相場が動いてしまったときです。例えば「相場が上昇。もう少し上がったら利益確定しよう!」と思っていたにも関わらず下降に転じてしまった場合、損失を避けるために建値まで値下がりした時点で決済するケースがあります。また反対に、「相場が下降。このままでは損切りになってしまう…」と思っていたところ上昇に転じた場合、再びの危機を避けるために建値まで回復した時点で決済するというケースもあります。

取引にしがみつてしまうリスクを見据え、ストップ注文(前もって決めておいた水準まで損失がふくらんだ時、自動的に決済する仕組み)を建値に設定しておくこともあります。これを「建値ストップ」といいます。

ちなみにプラスマイナスゼロとはいっても手数料などの取引コストはかかりますから、厳密には全く損失がないわけではありません。建値決済を連発しなくても済むように、相場の分析をしっかり行った上で1回1回の取引に取り組んでいきましょう。

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