ロスカットとは投資家の意向にかかわらず、予め決めておいた基準を下回った時点でFX会社が強制的に(含み損を抱えた)ポジションを決済するルールです。損失が証拠金以上にふくらむことを防ぐ、投資家保護を目的とした存在です。そのルールはFX会社によって異なります。

ロスカットの計算方法

ロスカットが執行されるのは、予め設定されている必要証拠金維持率を下回った場合です。証拠金維持率とは、FX口座に預けいれている証拠金から、リアルタイムのレートで決済した場合の損失を差し引いた金額の必要証拠金に対する割合です。

・(FX口座残高-リアルタイムでの含み損)÷必要証拠金額×100

また、ロスカットが実行されるレートについては以下の式で求めることが出来ます。

・(FX口座残高-必要証拠金額)÷通貨数量=ロスカットまでの値幅

買いポジションを保有した場合はレートにこれを加算したもの、売りポジションであれば差し引いたものがロスカットの基準レートとなります。

ロスカットのルール

取引を行うFX会社によってロスカットの基準額は異なるほか、中にはトレーダー自身が設定したりコース選択するケースもあります。ロスカット基準率が高い場合には、ロスカットが執行されたあとも比較的口座残高を多く残すことができる一方で、多少の変動で執行されてしまう可能性があります。

逆に基準が低い場合にはあまりロスカットが実行されないものの、いざロスカットとなった場合には多くの資産を失うため、注意が必要です。

また、ロスカットが実行される前にマージンコールというサインが出されます。これは証拠金維持率の低下を示し、ロスカットの危険性をアラートするとともに、それを回避すべくトレーダーに追証を求めるものです。

現状レートが下がってきているが、必ず回復するだろうという見込みがある場合など、一時的にロスカットを回避したい場合には、FX口座に新たに資金を投入して残高を増やすことでロスカットを回避することができます。

大きな損失を被らないためにあるロスカットですが、これが執行されれば資産を大きく減らすことに変わりありません。マージンコールと併せて活用し、上手に資産を運用しましょう。

関連KWD

関連記事