同じ通貨ペアにおいて買いポジションと売りポジションを同時に持つことです。

例えばしっかりとした上昇トレンドが出ている場合でも、一次的にレートが下降する場合はよくあります。こういった場合に上昇トレンドに乗っているスイングトレードや長期トレードの買いポジションを維持してさらに大きな利益を狙いながら、売りポジションを建てて短期で利益を狙いにいく場合などに両建ては用いられます。

両建てメリット

両建てを行う一番のメリットは損失が膨らむリスクを回避できる点です。

例えばドル円で1万通貨を買っていた場合、10銭上がれば1000円の利益、下がれば1000円の損失になりますが、両建てしていれば利益も損失もまったく同じになり、損益はゼロになります。プラスマイナスゼロになってしまっては投資の意味がないようですが、これは損切りの代わりに使える手法です。

先ほどの例で買いポジションを持っていた場合、1000円の損失が生まれますが、ここで損切(決済)してしまえばこれ以上損失は膨らまないものの、損失を確定させることができます。

一方、このタイミングで同額の売りポジションを持ち、さらに10銭下がったとすると、以下のような状況が生まれます。

  • 買いポジション:2000円の評価損
  • 売りポジション:1000円の評価益

つまり、ポジションを維持したまま損切りと同じく損失の膨らみを回避できるのです。

また、含み損を抱えていると平静でいられず、判断ミスをしがちです。そんなメンタル面の負担が軽減されることも両建てのメリットの1つと言えそうです。

両建てデメリット

両建ては初心者には向いておりません。それは何故なのでしょうか。

両建ては損切りせずに損失が膨らむことを防ぐために行うものだと言いましたが、損切りをせずにポジションを持ち続けるのはもちろんその後のレート回復で損失を減らしたり、利益が出るタイミングを待つためです。つまり、いずれは両建てを外すタイミングがやってきます。このタイミングを見極めることが非常に難しいと言われているのです。

含み損を抱えているからこそ両建てをするので、とにかく含み損をなくしたいという心理が働きがちです。その結果、わずかな利益が出たタイミングで両建てを外してしまい、その後、残ったポジションのレートが悪化し続けてしまうことがあるのです。

最終的に逆サイドの含み損が膨らんでしまうケースもあるため、相場の見極めが苦手なうちはリスクもある手法でもあります。

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