サヤ取りは、「絶対に稼げる」とは言えないものの高い勝率が見込めます。そのため、価格変動予想を外した場合でも適切に損切りできれば、利益を上げられる可能性は高いです。
それでは、サヤ取りの具体的な手法や利益の出し方、サヤ取り手法のメリットやデメリット、初心者の方が特に気を付けるポイントや、サヤ取りに向いている通貨ペアなどサヤ取りの全てをご紹介します。
■目次
サヤ取りとは?
サヤ取りは、「上がると思うから買う」「下がると思うから売る」といった通常のトレードとは、異なる種類のトレード手法です。
サヤ取りのトレード手法は、大きく分けて2つあります。
1つ目の手法は、相関性の高い2つの通貨ペアでそれぞれ買いポジションと売りポジションを持つことで、価格変動リスクを低減し両通貨ペアの価格差が広がったり縮まったりすることによって利益を獲得する手法です。
2つ目の手法は、スワップポイント(金利収入)を狙う手法です。
同じ通貨ペアでも業者によってもらえるスワップポイントが異なることを利用して、他業者間で買いポジションと売りポジションを同時に持つ「両建て」をすることで、価格変動リスクを低減しながら、スワップポイント差だけを獲得します。
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サヤ取りで利益を得る仕組み
相関性の高い2つの通貨ペアを利用したサヤ取りの場合、価格差が縮まったり広がったりすることを繰り返すという習性を活用します。
例えば、価格差が広がったときには次は縮まることが予想されますから、それを前提として価格差が縮まる方向にリスクをとります。
スワップポイントを利用したサヤ取りでは、業者間でスワップポイントが異なることを活用します。
例えば、A業者では買いスワップが+100円で、B業者では売りスワップが-90円の場合には、A業者で買いポジション、B業者で売りポジションをとることによって差額の10円を価格変動リスクを度外視して得ることができます。
サヤ取りは初心者におすすめな手法か?
結論から言って、あまり初心者向ではありません。
というのは、基本的な相場分析に加え、過去のデータを入手して時にはプログラムを使って分析する必要があるため、ハードルが高いからです。
したがって初心者の方はまず、成行注文といった王道のトレード手法になじんで、相場の見方や分析手法を培うことをお勧めします。
そして、相場を見ていく中で通貨ペアの特性が理解できてきたら、サヤ取りなどの特殊なトレード手法を模索されるのが良いでしょう。
一方で中級者以上の方で、リスクを分散したいという方にはサヤ取りはうってつけの手法だといえます。
サヤ取りのメリット
サヤ取りのメリットは、価格変動を必ずしも予測せずに利益を得られることです。
例えば「上がると思って買ったのに下がった」「下がると思って売ったのに上がった」ということは、初心者の方にありがちです。しかしサヤ取りはこれを、できる限り避けることができます。
そして、基本的に長期目線のトレードとなるため「一日中相場に張り付いていなくてもよい」という点もメリットとして指摘することができます。
例えばデイトレードやスキャルピングといった短期型のトレードの場合には、チャンスが来るまで相場をずっと見ておく必要がありますが、サヤ取りの場合には事前準備をしっかりしておけば、1日1回程度確認するだけで済ませることができます。
サヤ取りのデメリット
サヤ取りのデメリットは、損切りを徹底しなければ利益を得られないことです。
例えば相関性があると思っていた2通貨ペアが相関しなくなった場合には、思い切って損切りをしなければなりません。
サヤ取りは勝率が高いだけに、適切に損切りをするにはしっかりとしたメンタルが必要になります。
もう1つのデメリットは、事前準備を徹底する必要があるということです。
単に「似ていそうだな」と思い込むのではなく、過去チャートを厳密に分析してその結果として買いポジションや売りポジションをとります。
また、業者によっては他業者間の両建てを禁止しているところもありますので、実行する場合には事前に規約をしっかり確認する必要があります。
サヤ取りにおすすめな通貨ペア
「豪ドル/円」と「NZドル/円」、あるいは「豪ドル/米ドル」と「NZドル/米ドル」といった組み合わせがおすすめです。
おすすめな通貨の候補としては、先進国&高金利通貨の代表選手である豪ドルとNZドル、欧州通貨であるユーロとポンド、また新興国通貨である南アフリカランドとトルコリラなどがあります。
ここから通貨ペアを選定する場合には、上記の通貨+同一の決済相手通貨(カウンター通貨)を組み合わせるようにしてください。
ただし、新興国通貨の場合には突発的なショックで一時的に取引ができなくなったり、価格が急激に変動するリスクも了解しておいてください。
また、一部業者に取り扱いのある「豪ドル/NZドル」といった通貨ペアを直接トレードするのもおすすめです。