FXロスカットとは

ロスカットの仕組みをしっかり理解していないと、「気が付いたらロスカットされていた」「レバレッジを掛け過ぎてすぐロスカットされた」など、予想外の強制決済により損失でFXの歩みが終わってしまう可能性があります。特に初心者の方は少ない資金で高レバレッジを掛けて取引をする傾向があり、ロスカットされる割合が高いので注意が必要です。

そこで、ロスカットの仕組みをしっかり理解して、自分に合ったロスカットルールの会社を選びましょう。

■目次

ロスカットとは

ロスカットとは投資家の意向に関係なく、証拠金維持率が一定の基準を下回った場合、FX会社によって強制的にポジションが決済される仕組みです。強制ロスカットと呼ばれる場合もあります。

ロスカットは、各FX会社が定めた基準以上に損失拡大を防ぐための投資家を守る仕組みであることを理解しましょう。

ロスカットの仕組み

例えば、証拠金維持率が100%以下でロスカットになるFX会社で、1米ドル100円の時に、1lot(1万通貨単位)を取引するため4万円の証拠金を入金し、レバレッジ25倍でポジションを保有したとします。

ところが、米ドルが急落し1ドル96円になってしまいました。

この場合、96円-100円×1lot(1万通貨単位)で4万円の損失となります。

証拠金4万円に対して損失が4万円となり、損失が証拠金に対して同額(100%)になりますので、強制ロスカットとなります。

入金した4万円以上の損失を防いだことになります。

ロスカット計算方法

ロスカット基準額の計算方法

ロスカット基準額とは、純資産額がこの金額を下回ってしまうとロスカットになってしまいますよ。という金額のことです

各FX会社が定める証拠金維持率によって、ロスカットに達する基準額も変わってきます。ロスカットの基準額の計算方法をご紹介します。

ロスカット基準額の計算方法
ロスカット基準額 = 必要証拠金 × 指定ロスカット値

計算例(ロスカットルールが証拠金維持率50%以下の場合)

ロスカット基準額 = 必要証拠金 × 50%

この基準額に達するとロスカットとなります。

証拠金維持率の計算方法

証拠金維持率とは、時価評価総額に対する必要証拠金の割合のことです。有効比率と表現するFX会社もありますが同じ意味と考えて問題ありません。

証拠金の維持率を求めたい場合には、下記計算方法で求めることが可能です。

証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率 = 時価評価総額 ÷ 必要証拠金 × 100

計算例

口座に10万円入金1ドル100円の時に1万通貨を保有した場合の証拠金維持率計算方法

10万円×4万×100=250%

この場合証拠金維持率は250%となります。

ロスカットが間に合わなくて借金になる?

ロスカットのおかげで、証拠金(入金額)以上の損失となることはほとんどありませんが100%防ぐ仕組みではありませんので注意が必要です。つまり、ロスカットが間に合わなくて借金になる可能性もゼロではないということをしっかり理解しましょう。

ロスカットが間に合わないケース

急激な相場の変動によってロスカットが間に合わないケースがあります。例えば、アメリカで戦争やテロ、自然災害などが発生すると、ドルが売られ急激に円高ドル安になることがあります。この急激な変動がロスカットを間に合わなくさせる要因となるのです。

ロスカットを回避するコツ

借金の可能性があるロスカットはなるべく避けたいものです。そこで、ロスカットを回避するためのコツをご紹介します。

余裕をもった証拠金維持率

余裕を持った取引をすることに越したことはありません。FXおすすめ.jpでは、スキャルピングなど短い時間で取引を行う場合であれば300%~500%、スイングトレードのように長い間隔で取引を行う場合は800%~1000%の証拠金維持率を推奨しております。

FX初心者でも安心してトレードできる証拠金維持率の目安

レバレッジを高く設定しない

レバレッジは諸刃の剣です。高く設定すれば設定するほど利益になった場合は利益も多くなりますが、逆に損失の局面となった時も多くの損失を出す危険性があります。

ロスカットを回避するためには5倍から10倍程度のレバレッジに設定することをおすすめします。

FXレバレッジのかけ方とは?初心者でもわかる設定方法

こまめな損切りを心がける

損切りとは損失を確定させることです。初心者の方は「え?相場が良くなるかもしれないのにどうして損切りをするの?」と損切りの理解と実行ができない傾向にあります。

では、この思考をどのように変えていけばよいのでしょうか?答えは簡単です。自分で損切りのラインを決めれば良いだけです。

具体的なやり方については、プロが教える損切りのタイミングと方法を参考にしてください。

ロスカットで覚えておきたい用語

FX会社のサイトやFXの情報サイトなどを見ていると、表現方法が異なり混乱しますよね。

言い回しは様々ですが、結局意味は同じである場合が多いので整理をしてご紹介します。

時価評価総額とは

「時価評価総額」と他のサイトでも見かける「純資産」は同じ意味です。ここでは時価評価総額と表現させていただきます。

時価評価総額とは、口座に証拠金として預けた金額の残高と保有しているポジションの合計金額のことです。

例えば、10万円入金をして1米ドル100円の時に50,000円で買ったとします。

この後相場変動によって1米ドルが99円になれば
 50,000円の残高+49,500円(保有ポジション)で時価評価総額は99,500円となり

その後、相場変動によって1米ドルが101円になれば
 50,000円の残高+50,500円(保有ポジション)で時価評価総額は100,500円となりますよね。

相場は常に変動しているので、時価の評価総額つまり、「時価評価総額」と表現しているんですね。

必要証拠金とは

必要証拠金とは、新規のポジションを保有するために必要な証拠金額です。

例えば、米ドル/円を1米ドル100円の時に、1lot(1万通貨単位)レバレッジ25倍のFX会社で取引をする場合、必要証拠金は4万円となりますよね。

建玉とは

建玉(たてぎょく)とポジションは同じ意味です。つまり、未決済で保有している通貨ペアのことです。

FX会社ロスカットルール徹底比較

各社のロスカットルールを「ロスカット」「アラーム」「追証」の軸で比較表にまとめおります。

FX会社名 ロスカット アラート 追証
dmmfxDMMFX 証拠金維持率50%以下 証拠金維持率70%以下 証拠金維持率が100%を下回っていた場合
外為どっとコム外貨ネクストネオ 有効比率100%以下 有効比率200%
FXネオFXネオ 証拠金維持率50%
(1万通貨単位あたり税込500円。
南アランド/円とメキシコペソ/円は、
10万通貨単位あたり税込500円)
証拠金維持率が100%を下回った場合 証拠金維持率が100%を下回った場合
パートナーズfxパートナーズFX 証拠金維持率40%以下 証拠金維持率が100%および70%を下回った場合 証拠金維持率が100%を下回った場合
FXトレードSBI FXトレード 証拠金維持率50%以下 証拠金維持率が100%及び35%を下回った時点
lionfxライオンFX 有効比率100%未満 有効比率200%以下 なし
外為オンライン外為オンライン
  • L25R 証拠金維持率100%
  • L25Rmini 証拠金維持率100%
  • L25 証拠金維持率20%
  • L25mini 証拠金維持率20%
実効レバレッジが20倍以上
トライオートFXトライオートFX 証拠金維持率50%以下 有効比率が150%以下:プレアラートメール
有効比率が120%以下アラートメール
取引終了時、有効証拠金額が取引所基準額
(証拠金基準額)の合計を下回った場合
linefxLINE FX 証拠金維持率100%以下 有効比率が140%以下:プレアラートメール
有効比率が120%以下アラートメール
みんなのFXみんなのFX 証拠金維持率100%以下 有効比率が130%以下
FXプライム選べる外貨 証拠金維持率80%以下 証拠金維持率100%以下