FXの自動売買ツールってどんな種類があってどんなサービス内容なの?メリット・デメリットは?儲かるの?……などなど、気になる自動売買ツールについてご紹介します。
■目次
自動売買とは?
自動売買とは、その名の通り「機械が自動的にFXの売買をしてくれるツール」のことです。システムがトレード(取引)することから「システムトレード」と呼ばれることもあります。
基本的な流れは、「買いの注文」と「売りの注文」を自動的に繰り返して利益を積み上げていく、というものになります。
自分がする作業は、基本的には「現在の相場の流れに合った設定」に変更することのみ。これさえやっておけば、あとは機械が勝手にトレードをしてくれます。
FXは、常にPCやスマホ画面と向き合って、相場変動をチェックする必要がありました。しかし自動売買ツールはその必要がなく、また成行注文ほど複雑な知識は必要ではありません。
その手軽さから人気に火がつき、現在自動売買ツールを専門としてトレードを行う方もいるほどです。
自動売買ツールを利用するメリット
自動売買取引によるメリットをご紹介します。
感情によって左右されない取引ができる
自動売買ツールは、機械が全ての取引を行ってくれるため、感情的にならず決めたルールを守った取引をすることができます。
例えば損切りをしようとしたとき、「ひょっとしたらこれから上がるかも……」と期待をしてしまい、中々損切りに踏み切れず、結果ロスカット手前の大損!なんてことが、裁量トレード(自分の判断で行うFX取引)の場合だとあります。
しかし、自動売買ツールを利用すると、その心配はなくなります。予め決めておいた数値以下になった瞬間に、自動的に損切り処理が行われるからです。
そのため割り切った取引ができ、ストレスを抱えることなく運用ができるというわけです。
初心者でも利益を出せる可能性がある
自動売買ツールなら、完全なFX初心者でも利益を出せる可能性があります。
自動売買ツールの多くは、FXのプロや専門家が考えたストラテジー(投資戦略)を使用し、運用することになるので、自分で相場を予想する必要がないのです!
もちろん、基本的な情報を理解した上でストラテジーを選択するという必要はあるのですが、それでも裁量トレードと比べればかなり手軽な取引ができます。
プロの理論を元に運用するため、初心者でも利益を出せる可能性がある、というわけです。
取引によって時間が拘束されない
自動売買ツールには、FXの取引時間が短縮されるというメリットがあります。
裁量トレードの場合だと、たびたび相場の確認をし、買いや決済の注文を自分の手でしなければなりません。
しかし、自動売買ツールを利用した場合、最初にストラテジーを選択するだけで、注文・決済・損切り等の作業を全部機械がやってくれます。時間を取られずに済むため、注文の時間は仕事をしたり寝たり遊んだりしていても、一向に構わないというわけです。
人生は有限です。限られた時間を節約できるという点だけでも、自動売買ツールを利用するメリットといえます。
自動売買ツールを利用するデメリット
自動売買取引によるデメリットをご紹介します。
多くの初期資金が必要になる
自動売買ツールで運用を始める際には、多くの資金が必要になります。
自動売買ツールには、特性として含み損を常に抱えるというものがあります。
相場の変動に合わせて自動的に取引をするため、上がる相場もあれば下がる相場もあるというわけです。下がった場合は設定したラインで損切りをし、次以降の取引で利益を得ようとシステムが働きます。
そのため、投資資金を多く持っていなければ、総合的な利益獲得に結びつきづらいのです。
具体的には、最低10万円ほどの資金準備が必要です。なお、自動売買ツールを始めるトレーダーの初回入金額は、平均で30万円程度です。
取引量や各会社のサービスによっても変わってくるのですが、裁量トレードよりも多くの資金が必要となります。
急な相場の変動に弱い
自動売買ツールは、急な相場変動があった場合は、損失を多く出してしまうという欠点があります。
自動売買ツールは基本的に、過去のデータなどから相場が「こう動くだろう」と予想し、ロジックに則って注文を繰り返しています。そのため、予期せぬ大きな相場の変動に弱いという欠点があります。
大きな変動があっても、システムは即座に対応できるわけではありません。数分や、数時間の遅れがどうしても出てしまいます。この間に、含み損を多く抱えてしまうといった事態も起こりえるわけです。
このように急な相場変動を迎えた場合は、自動売買をストップするか、自らの手でトレードをするように切り替える必要があります。
完全に自動とはいえない
いくら自動売買ツールとはいえ、常に放ったらかしというわけにはいきません。
急な相場変動があることと、選択したストラテジーで常に勝てるというわけではないからです。
相場はトレンドや調子によって、常に変動するものです。そのため、いくら儲かるストラテジーを選択していたとしても、いつかは利益が少なくなってきます。そのため現状を把握し、その都度ストラテジーを変更する必要が出てくるのです。
なるべく、1日に1回程度は損益状況を確認するようにしましょう。
自動売買ツールは初心者におすすめ?
自動売買ツールは、初心者におすすめだと言えます。
機械が売買の注文をしてくれるため、初心者でも利益を追求できる可能性があるからです。
ただし、いくら機械が全ての取引をしてくれるからといって、ずっと放ったらかしにするのはやめましょう。常に相場のニュースには気を配っておき、大きな相場変動がありそうなときには、手動で取引を終了させることが重要です。損切りも機械に任せっきりにするのはやめて、自分で損切りをすることで損失縮小につながります。
自動売買ツールには3種類のタイプがある
自動売買ツールと一口に言っても、3種類のタイプがあり、それぞれ特徴があります。
自動売買ツールのタイプをしっかり理解し、自分に合った自動売買ツールを選びましょう。
リピート型注文
リピート型注文とは、一定の値幅で売りと買いの注文を繰り返すシステムのことです。
トレーダーがする作業は、注文を確定する値幅を設定するのみです。難しい設定は一切ないため、初心者に優しい自動売買ツールです。
【出典:外為オンライン】
ストラテジー選択型
ストラテジー選択型とは、プロのトレーダーが考えた数あるストラテジー(投資戦略)の中から、好きなものを選んで可動させるシステムのことです。
複数のストラテジーの中から、利益が得られそうなストラテジーを選ぶという作業をしなければならないため、FXの相場観や知識が必要になります。
FXをある程度理解できたものの、利益に中々つながらないという初級~中級者の方におすすめな自動売買ツールです。
ストラテジー自己設定型
ストラテジー自己設定型とは、ストラテジー(投資戦略)を自分で考えて設定し、可動させるシステムのことです。
ストラテジー選択型と違って、カスタマイズ性が高い自動売買ツールと言えますが、戦略を自分で考えて立てる必要があるため初心者には向きません。
FXを熟知した人が、利益追求のために始める自動売買ツールと言えます。
自動売買ツールを比較
自動売買ツールは、どの会社のどのサービスを選べば良いのでしょう。FX会社ごとの自動売買ツールを、タイプと少額取引はできるのか?初心者向けか?という観点から比較し、表にまとめました。
自動売買ツール | タイプ | 取引通貨単位 | 初心者向け | |
---|---|---|---|---|
外為オンライン | iサイクル2取引 | リピート型注文 | 1,000通貨単位 | ◎ |
サイクル2取引 | リピート型注文 | 1,000通貨単位 | ○ | |
トライオートFX | 自動売買セレクト | ストラテジー選択型 | 1,000通貨単位 | ○ |
オートパイロット注文 | ストラテジー自己設定型 | 1,000通貨単位 | × | |
みんなFX(みんなのシストレ) | みんなのシストレ | ストラテジー選択型 | 1,000通貨単位 | ◎ |
FXブロードネット | トラッキングトレード | リピート型注文 | 1,000通貨単位 | ◎ |
パートナーズFX | HyperSpeed NEXT | ストラテジー自己設定型 | 1万通貨単位 | × |
ひまわりFX | ループ・イフダン | リピート型注文 | 1,000通貨単位 | ○ |
自動売買ツール紹介
FX会社が提供している自動売買ツールをご紹介します。
外為オンラインの「iサイクル2取引」「サイクル2取引」
「iサイクル2取引」「サイクル2取引」は、外為オンラインが提供する自動売買ツールです。
iサイクル2取引は、相場変動に自動で追従するという特性があります。レンジ(相場が一定の値幅で上下を繰り返すこと)から外れて上昇しても下降しても、設定した値幅で注文を繰り返す、というものです。
サイクル2取引は、レンジ相場の中で取引をするという特性があります。iサイクル注2取引と違うのは、相場の変動に追従せず、あくまで決められたレンジ相場の中で取引をするという点です。
デモ口座も利用できるため、損失を気にせず使い心地を試すことも出来ます。
iサイクル2取引のさらに詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。
トライオートFXの「自動売買セレクト」「オートパイロット注文」
「自動売買セレクト」「オートパイロット注文」は、トライオートFXが提供する自動売買ツールです。
自動売買セレクトは、通貨ペアと、プロが予想した自動売買ロジックの組み合わせを選び、カートに入れるだけで簡単に自動売買取引をしてくれるツールです。複雑な設定を無くした、初心者でも扱いやすいシステムが特徴です。
オートパイロット注文は、基本的には自動売買セレクトと同じです。唯一違うところは、自動売買ロジックをユーザーが自由に設定できる、という点です。既存の予想に物足りなさを感じて、自分で相場のロジックを予想をしてみたい!という方におすすめです。
みんなのFXの「みんなのシストレ」
「みんなのシストレ」は、みんなのFXで口座開設をすることで利用が可能となります。
ストラテジー選択型なので、設定するというより選択をするだけなので、初心者も簡単に始めることが可能です。
「みんなのFX」では、実際に取引をしているリアルなトレーダーさんの合計損益や収益率、取引回数などを様々な項目で順位付けしており、そのランキングの中から自分が気に入ったトレーダーさんを見つけて、選択し取引を開始するだけです。あとは、24時間自動で取引をしてくれます。
取引単位も1,000通貨
FXブロードネットの「トラッキングトレード」
「トラッキングトレード」は、FXブロードネットが提供する自動売買ツールです。
従来のリピート型の注文を基本としながらも、弱点をカバーできるように進化したシステムが特徴です。
リピート型注文とは、あらかじめ買う値段と売る値段を決めておき、買い値と売り値がそれぞれの値段になった際、自動で取引を行ってくれる注文方法のことです。しかし、これでは注文をいくらに仕掛けるかという値段の設定が重要であり、注文する値段を誤ると取引が発生しないという事態が起こってしまいます。
そこでトラッキングトレードは、値動きが発生している価格範囲に自動でリピート型注文をしかける、という仕組みが搭載されました。これにより、相場の値動き全体で、自動取引を繰り返すことができるのです。
パートナーズFXの「HyperSpeed NEXT(自動売買ストラテジ)」
「HyperSpeed NEXT」とは、パートナーズFXが提供する取引アプリのことです。
このアプリの機能であるストラテジ(FXにおける取引戦略のこと)を利用することで、FXの自動売買を行うことができます。
ユーザーが売買のルールを組み合わせてストラテジを作成、稼働させることで自動売買が行えます。
この自動売買ツールを使っても、手数料がかからず、スプレッドも広がらないことが他社のサービスとの大きな違いです。
他の会社の自動売買ツールに比べて自由に設定ができる分、上級者向けのツールといえるでしょう。
ひまわりFXの「ループ・イフダン」
「ループ・イフダン」とは、ひまわりFXが提供する自動売買ツールのことです。
以前までは「エコトレ」という自動売買サービスだったのですが、その中のシステムのひとつであった「ループ・イフダン」が単独サービスとなった形です。
取引スタート時に通貨ペア・売買の方向・積み重ねる利幅だけ設定すれば、あとは自動で売買を繰り返すシステムが特徴です。
また、すでに同じ水準にポジションがある場合は追加の注文を行わないため、リスクを避けて運用することができます。