存在感の大きい1軍選手たち
用語解説:イギリスのEU離脱 ヨーロッパ28カ国からなるEU(欧州連合)からイギリスが脱退しようとしている問題。2016年6月の国民投票で離脱が決定し、17年3月から手続きがスタート。「ブレグジット」ともいう。
メジャーカレンシーの特徴
EUユーロ(EUR) EU加盟28カ国のうち19カ国と、EU域外の5カ国が使用している統合通貨。米ドルに次ぐ流通量を誇る。ここ数年低迷していたが、近年回復してきた
日本円(JPY) 輸出企業が多く、他通貨(特に米ドル)と連動しやすい。有事の際に買われる傾向がある。1000兆円以上の赤字を抱えている懸念もある
アメリカ(米)ドル(USD) 基軸通貨として世界中で取引されている、流通量No.1の通貨。アメリカの景気がよくなればドル高、悪くなればドル安と、シンプルに動く傾向がある
イギリス(英)ポンド(GBP) かつて基軸通貨だったが、今でも相応の取引量がある。EU離脱による不透明感から値動きの幅が拡大
スイスフラン(CHF) 永世中立国のイメージもあり、値動きが安定。日本円同様有事の際に買われる傾向がある
オーストラリア(豪)ドル(AUD) 鉄鉱石や石油などの輸出が主な産業。それらの価格変動や貿易相手国の中国の影響を受けやすい
カナダドル(CAD) 天然ガスなどの資源が豊富で、資源国通貨の位置づけ。隣国アメリカの経済と連動しがち
水上氏の視点 本当にメジャーなのはドルとユーロ。一方で何かが起きれば、もう一方に資金が移動するという関係になっています。
取引規模の小さな2軍選手たち
用語解説:資源国通貨 鉱物や農産物などを輸出する国の通貨。コモディティ通貨とも いう。資源国通貨の為替レートには、その国が輸出するモノの価格や、それらを輸入する国の景気が影響すると考えられる。
主なマイナーカレンシーの特徴
南アフリカランド(ZAR) 金やダイヤモンドなどの鉱物資源が豊富。高金利通貨の代表格だが政情不安のリスクも高い
トルコリラ(TRY) 高金利が魅力。ただしここ10年間で1リラの価値は約3分の1に。スワップ以上の損失となるリスクも
ニュージーランド(NZ)ドル 農業・酪農が盛んで、影響を受けやすい。オーストラリアに近く、連動した値動きをすることも
メキシコペソ 石油や鉱物の資源国であり、隣国アメリカの影響を受けることも。トランプ大統領の政策を注視
水上氏の視点 高金利には、景気がよくてインフレ傾向にある場合と、金利を高くしないと海外からの資金調達ができない場合の2種類があります。見極めましょう。